「あなたの“着物力”は? クイズで試してみましょう」
新年に着物を着るのは「着衣始め(きそはじめ)」という、正月三が日の吉日に着物を新調し、年神様をお迎えしていた江戸時代のならわしが根源と言われています。
今回はちょっと楽しい、着物にまつわるクイズです。
第1問
「幸せをつかむ」と言われる、縁起の良い着物の柄は次のどれ?
A.髑髏(ドクロ) B.蜘蛛の巣(クモノス) C.蛙(カエル)
答えは、Bです。
A髑髏(ドクロ)、B蜘蛛の巣、C蛙は、すべて縁起の良い伝統柄。古くから着物や裏地、半衿に使われていました。“幸せをつかむ”“富を得る”と言われる文様は、蜘蛛の巣。網のように巣をかけ、幸運をキャッチするという意味を持ちます。髑髏は魔除け、厄除け。蛙は「帰る」「返る」の音から旅の安全、「孵る」から子孫繁栄を願う吉祥柄です。
第2問
着物の前合わせ、正解は以下のどれ?
A.男性は左が上、女性は右が上
B. 男性は右が上、女性は左が上
C.男女どちらも左が上
答えは、Cです。
着物を着る時の前合わせは、男女共に「右前」が正解です。「前」には「先」という意味があり、先に右側の見頃、続いて左側の見頃を重ねます。右が上になる「左前」は死装束と呼ばれ、タブーとされています。
洋服の前合わせは、男性は左が上、女性は右が上。ボタンが上流貴族に普及した14世紀のヨーロッパ宮廷で、男性は自分で衣服を着用するので利き手に便利な右前、女性は召使に着せてもらうために逆になったのがルーツと言われています。
第3問
着物の慣用句はたくさんあります。次のうち、金品や財産にまつわるものはどれ?
A.衿付が厚い B.袖を連ねる C.裾をかく
答えは、Aです。
平安時代の貴族は身分の高さを示すために、着物を何枚も重ねて着用しました。かつては襟元の様子で貧富が分かったという謂れから、「衿付きが厚い」というのはお金持ちのことを指します。「袖を連ねる」は、進退を共にすること。何人もの袖が一列に並ぶ様が語源になっています。「裾をかく」は、裏切ったり、出し抜いたりすることを言います。相手の油断に乗じて、裾を払って倒す動作から来ているんですね。